アナログの逆襲 [映画]
私も見た!ボヘミアン・ラプソディ [映画]
「カメラを止めるな!」 [映画]
ラピュタ阿佐ヶ谷 [映画]
世界一優雅な野獣 [映画]
気休めの報酬 [映画]
エル・スール他 [映画]
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モアナと伝説の海 [映画]
沖縄で大喜びしていた息子に、きれいな海の色を見せるだけでも良いかと思い
ディズニーの新作アニメ「モアナと伝説の海」を見に行きました。
「生命を生み出す女神の心(碧玉のような固体です)が奪われてしまった為に
暗黒が広がっている」という伝説を聞いた村長の娘モアナが、島を救うために
禁じられていた危険な航海に出ます。心を盗んだマッチョで孤独なお調子者の
自称「英雄」、おまぬけな鶏、モアナが使命を果たせるよう協力する「海」と共に。。
南国らしいおおらかさと力強い音楽、キュートでたくましいモアナ、そして生き物の
ように自在に形を変えてモアナを守る海がとても良かったです(^^)。
モアナに真実を伝えた上で彼女の意思を尊重し、自分で決断させるおばあちゃん
(夏木マリ)の包容力あふれる強さと優しさもいいですね~。
「スラムドッグ・ミリオネア」 [映画]
昔の映画シリーズは、2008年のこちらの映画で一旦終わり。
知らない人はいないくらい有名な作品を今頃見て感想を言う私。。(^^;)
- スラム出身で教育も受けていない青年が人気クイズ番組で正解を連発し、八百長疑惑を
- かけられる。警察に連行された青年は自らの過去を語る。彼は億万長者になれるのか?!
- ・・というお話ですね。原作は「ぼくと1ルピーの神様」というインド人外交官のデビュー
- 小説だそうですが、こちらはイギリス人監督によるイギリス映画だったとは。。
- ストーリー全体がクイズ形式になっている構成も面白いですね。
更に原作にない主人公ジャマールの「兄」の存在が物語に深みを与えています。
冒頭の憧れの芸能人のサインをもらおうとする場面で、兄弟の違いが象徴的に
描かれています。狡猾で世渡り上手な兄と、どんくさいけれど一途で誠実な弟。
兄は弟を利用しているようで、結局は弟が目的を達成する手助けをしてしまう。
兄は仲間には信用ならない嫌な奴と思われていますが、いざという時には体を
張って弟やその彼女を守る、というか守る羽目に陥る損な役回りなのでした。
ドブネズミのような生活から何とか抜け出しても蔑まれてまともな仕事につけない、
子供が売買され、警察や法律が機能せず地元をしきるのはギャングというスラムの
現状や、ショッキングな場面も多いのですが、純情一路のジャマールのテーマ曲は
さしずめKANの「愛は勝つ」!(古い~)
賞金の2000万ルピーは日本円で3000万、物価からすると3億円位の価値が
あるとか。一躍有名人になったジャマールとギャングから逃れてきた彼女は一味に
狙われないのか?インド版腹黒みのもんた(クイズ司会者)の妬みは大丈夫か?
地頭が良く行動力もあるジャマールには、用心棒を雇って身を守りつつ、賞金で
スラムの子達に教育や職の機会を与えられるような事業を起こしたり、歌が
上手かったばかりに失明させられた仲間を探し出して救済してほしいものです。
といっても実話でないので夢のまた夢ですが、「希望」の物語の結末として。。
実際スラム街の子供にパソコンを持たせたらあっという間に使いこなし、知識や
情報を手に入れた事実に基づいて原作が書かれていたり、映画の製作陣がムンバイに
寄付したりした一方、子役の父親が人身売買容疑で逮捕されたそうです。むむむ・・
(「インドの光と闇」のイメージ画像・・ではなくただのキャビネットの小物で~す)
セブン・イヤーズ・イン・チベット [映画]
20年も前の映画なので、何を今更なのですが・・やっと見たので載せました。
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(「薔薇の名前」のジャンジャックアノー監督)。
ご存知の方も多いと思いますが、アイガー初登頂を果たしたオーストリアの登山家、
ハインリヒ・ハラーの手記を映画化した実話です。ナチス政権下、身重の妻を残し国の
威信をかけた登山隊に参加中に戦争が勃発し捕虜になり、脱走先のチベットが中国に
侵攻され帰国するまでの7年間を、若き日のダライラマらと共に過ごしたハインリヒ。
オリンピックの金メダル等「1番になる、頂点を極める」事が目標であり誇りだった
自己中で自信満々のハインリヒが、目立つことより「自我を捨てる」のが貴ばれる
チベットで価値観の相違に戸惑う所が結構痛快。物質的豊かさや情報量の多さが求められる
社会と、精神性、倫理性が重視される社会、家族から引き離され英才教育をされた少年と、
息子に拒絶されて関われない辛さに苦しむハインリヒという、お互いに欠けたパーツが
ぴったり合った疑似親子のような二人が、他人には見せない本心を語り合う所が良いですね。
ダライラマ少年の宝物だった「月の光」を奏でるオルゴールが、ハインリヒの息子の心を開く
きっかけになり、扉の隙間から覗き見た息子が自分とそっくりな容姿だった所とか、登山を
通して長い間離れていた親子がやっと繋がることができた所にもホロっときました。
政治的な確執については詳しくないので言及しませんが、教育や環境だけでなく
子供の頃から心の気高さや立派な人格が備わった人というのがいるのかな、と
ふと思いました。ノーベル平和賞を受賞されたマララさんとか、こういう方達が
時代を照らす光になっていくのでしょうね 地に足のついた、いい映画でした。
現実のチベットは様変わりして、昔々のお話になってしまったようですが。
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「ザ・フォール/落下の王国」 [映画]
「映画絶景旅」で観たいと思った作品が、あっさりゲオで見つかりました。
ターセム・シン監督2006年印英米合作映画「ザ・フォール/落下の王国」。
以下、ネタバレ注意のあらすじ紹介。
(インド・アーバーネリーの階段井戸。目が眩みそう。 livedoor.blogimg.jp引用 )
撮影中の事故で歩けなくなり、主演俳優に恋人も奪われ自暴自棄になったスタントマン
の青年と、オレンジの収穫中に腕を骨折した5歳の少女が同じ病院に入院している。
好奇心旺盛な少女を利用し自殺用の薬を手に入れる為、作り話を聞かせる青年。
その劇中劇の色彩がとても強烈で(ナミブ砂漠の赤、ブルーシティや空の青、
階段井戸や敵兵の黒等)美しい映像叙事詩ともいえる世界を作り上げています。
青年の心境を反映して登場人物は皆裏切られ、叫び、復讐を誓いながら落ちていく。
少女は目を閉じて、病院に出入りする人々を頭の中で登場人物に置き換え、空想する。
お話を楽しんでいた少女は悲惨な結末がどうしても受け入れられずに、必死に
「私達二人のお話」を救おうと奮闘する・・。
話自体は青年がやけくそで適当に作ったお話なので感動巨編とは言い難いのですが、
少女の一生懸命さに青年が生きる力を取り戻していく終盤は、手に汗握ります。
サイレント、ウエスタン、ファンタジー・パペットアニメ、更にはロッキー(じゃ
ないかも)、ニューシネマパラダイスも取り込んだ様々な映画へのオマージュ。
24か国13もの世界遺産で撮影されたビビッドで不思議な映像、石岡瑛子さんの
衣装や民族舞踏(ケチャ・旋回舞踏)等、見所豊富な映画好きの為の映画かも。。
個人的には「お話し部分」の鮮やかさと、冒頭と最後に挿入される白黒フィルムとの
対比が面白かったのと、原題の「 The Fall」そのままに落下シーンがやたらと多い
のがツボでした! 青年と少女も落下によって巡り合い、動物も手紙も飲み水も薬瓶も
弓矢もみんな落下する。そして最後に落下シーンの集大成が。。
あー、そうか。どん底まで落ちたらあとは上がるだけなんですね。
「映画絶景旅」を借りました [映画]
前回に続き映画のお話を・・。
図書館で「映画絶景旅~アジア編」という本を借りてみました。
昔の映画から比較的新しいものまで載っていて、読むだけでも楽しいデス。
取り上げている映画の簡単なストーリー、キャスト、ロケ地の情報と共に、
スケジュール例やベストシーズン・費用まで親切に記載されています。
大好きなインド映画「きっと、うまくいく」の美しいラストシーンは、
インド北部のパンゴン湖という所なのですね。(CGかと思った・・)
下はディカプリオ主演のザ・ビーチの舞台となった、タイ・ピピレ島の
マヤ・ベイという楽園。大麻がらみで高樹沙耶さんを思い出しますね。。
他に見たことがある映画では・・
ラストエンペラー、戦場にかける橋、ラマン、トゥームレイダー、踊るマハラジャ、
ガンジー、地獄の黙示録、キリング・フィールド、オールド・ボーイ、猟奇的な彼女、
私の頭の中の消しゴム、ブラザー・フッドや、Jチェンもの等が載っていますねー。
高倉健さんの「単騎千里を走る」、「ハング・オーバー史上最悪の二日酔い」
「ダージリン急行」「落下の王国」をご存知の方がいたら感想を聞きたいです。。
ベルトルッチ×キアヌの「リトル・ブッダ」、「スラムドッグ・ミリオネア」
イ・ビョンホンの「王になった男」もまだ見ておらず、探そうと思っています。。
「謎解きはディナーの後で」は先日TVでやっていましたね(仕事中でした)。
セットでなく本物の豪華客船「スーパースターヴァーゴ」でロケをしたんだ!
以前シンガポールのラッフルズホテルで食事しましたが、当時はまだマリーナ・
ベイ・サンズホテルの空中プールはなかったなあ。。旅行気分も味わえるかな?
今度はヨーロッパ編を借りてこよう!
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- 出版社/メーカー: ジェイティビィパブリッシング
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: ムック
ユーリー・ノルシュテイン監督 [映画]
ロシアのユーリー・ノルシュテイン監督の代表作6本がデジタルリマスター版で
美しく蘇ったという「アニメーションの神様、その美しき世界」(左側)。
渋谷のイメージ・フォーラムで上映中です。
「霧の中のハリネズミ」「話の話」は、映画雑誌「ぴあ」を愛読していた頃、
見たいと思っていたなあ・・ということで久々に行ってみることに。
アート系の若者が多くて、狭い館内は満員。。今でも人気があるのですね。
ショスタコーヴィッチの曲にのせてロシア・アヴァンギャルド・アートの
洪水で怒涛のロシア革命を描いた「25日・最初の日」。
中世の壁画・フレスコ画が重層的な切り絵となって列をなし戦う
「ケルジェネツの戦い」(下画像の上)。
マトリョーシカにみられるガラジェッツ絵画のデザインを額縁のように
用い、カラフルで洒落た映像の子供向けの民話「キツネとウサギ」。
それぞれが一人暮らしをする廃墟で、求婚と拒絶を繰り返し行ったり来たり
する恋愛劇を、水墨画を取り入れた淡い色調で描いた「アオサギとツル」(画像下)。
どちらもクスッと笑えるわかり易いストーリーで、雰囲気の違いを楽しめます。
そして、公開当初から評判になっていた「霧の中のハリネズミ」!!
友達の家に向かう途中、森で霧の中に迷い込んでしまったハリネズミの子供が
未知の生き物たちと出会います。霧の晴れ間に見え隠れするものたちは、自分に
とっては神秘的で謎めいた存在。自分もハリネズミくんと一緒にびっくりしたり、
何だろう?と突いたものが見上げるほど立派な大木だとわかって、わあ~っと新鮮な
驚きを覚えたり、もうダメだと諦めかけたら救いの手がさしのべられたり。。
出会いと驚きを演出する「霧」の使い方がとにかく上手いですね!
「やっぱり友達のこぐま君と一緒がいい」と言いつつも、霧の中で出会った白い馬の
ことが忘れられず気になって仕方ないのは、恋のような憧れ?初々しい・・
「話の話」は子守歌に出てくる狼の子供の目線で描かれる、社会や運命に
翻弄される弱きもの、ちいさきもの達への愛が感じられる詩情豊かな作品。
自伝的要素が強いそうですが、愛する人を戦争で失う女性達の姿・・ダンスを
していた腕から突如引き離され、金色に光る海で待ちこがれ、空から降る手紙を
両手を伸ばして掴むと戦死通知、というショックと哀しみの表現に鳥肌が立ちました。
効果的なバッハやモーツァルトの音楽や、物語の合間にCODAのように度々
「平穏で幸せな生活」が挿入されるのにも胸を打たれ、しばらくその世界から
抜け出せずに呆然としてしまいました。。専門的な技法はよく知りませんが、
あっという間の感動的な1時間半でした!見ることができて良かったです
KAGAYA版銀河鉄道の夜 [映画]
先日、築地にある「明石タイムドーム」というプラネタリウムに息子を
連れて行きました。というか、私がKAGAYAさんの映像を見たくて
お寿司で釣って連れて行ったという・・。上記は途中に見える聖路加病院。
リクライニングシートを倒してわらべ歌みたいで心が和むBGM、
宮沢賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」を聞いて上映を待ちます。
思ったよりファミリーが少なくてカップルが多いですね?
息子が腕を組んでくるせいで、私達も時々カップルに間違えられます笑
秋の星座の解説のあと、KAGAYA版「銀河鉄道の夜」が始まりました。
白鳥が羽を広げ川に潜り、水底の砂が星空になり、そのまま白鳥座になる
オープニング映像で早くも胸を打たれてうるっときてしまいました 。。
藤城清治さんの絵本も大好きでしたが、今回のKAGAYAさんの映像も
とても好みです。ドーム天井いっぱいに光が広がる景色が美しすぎる~!!
改めて見るとこの物語は、大好きな人との別れを受け入れる為の「儀式」
でもあり、カンパネルラ的な生き方(他人の幸せのための自己犠牲)を
ジョバンニが理解していく過程を、二人であの世とこの世の境をトンネルを
抜けるように通っていく「旅」として描いているのかなと思ったり。。
二人きりの美しい思い出となるはずの夢の中でさえ、彼を独占することは
できないし、どこまでも一緒と言ったのに手の届かない所へ行ってしまう
のが何とも切ないですね。。。
もしかすると、遠い海に漁に行ったまま帰らぬお父さんを連れ戻して
くれたのも、ジョバンニの「本当の幸い」を知っているカンパネルラかも?
意地悪なザネリは改心して少しはいいやつになったのだろうか?
・・等と、いろいろ空想を広げられるのもこの物語の良い所ですねー。
電車好きの息子は旅行気分なのか、最後まで機嫌よくニコニコと見ていました。
KAGAYAさんには是非、原作に忠実な大人向け「銀河鉄道の夜 完全映画版」の
製作をお願いしたいです!(ブルーレイも賢治の故郷のイギリス海岸や、
当時走っていた鉄道の写真、天体解説などの特典映像付きで良かったです。)
タイムドームでの上映は残念ながら4日で終了。各地で巡業しているようです。
現在KAGAYAさんのオーロラの映像がスカイツリーで見られるようですね!
https://planetarium.konicaminolta.jp/tenku/program/cg/winter_16/
おおかみこどもとマイノリティ [映画]
細田守監督・原作という映画「おおかみこどもの雨と雪」を借りて見ました。
おおかみ男と恋に落ち、子供ができた花が地方の移住先のご近所さんに助け
られながら子供を育て、自立を見守っていくファンダジーであります。
非現実的というご意見もあり、邪道だとは思いますが、障害のある子どもや
社会的マイノリティの子育てとして深読みするとかなり共感できました。
自分には重度の知的障害を伴う自閉症の子供がいます。
もう成人しましたが、言葉は話せずジェスチャーで意思を伝えます。
幼児期は多動で本棚に登って棚ごと倒す、うたた寝したすきにブルーレットを
部屋中にまき散らす、夜も眠らず泣き続ける、追いかけてへとへとになる毎日は
まさに雨と雪状態。比較的おおらかだった地方のK市では近所の方も気軽に手を
貸してくれたり遊んでくれたりして楽しかったのですが、お受験する子が多い
都内の社宅に移ってからは、周囲に気を遣って謝り続ける毎日でした。
都会の人が冷たいというより、人が密集しているから大きな音や声が迷惑になり、
自分の縄張りに他人が侵入しがちなのでストレスを感じ易く、常に否応なく
入ってくる刺激で神経が過敏になってしまうのかもしれません。伸び伸び振る舞うと
傍若無人という事になってしまうので、便利だけど子育てはし辛いと感じていました。
自閉症は見た目は普通なだけに、奇声を発したりこだわりが頻発すると奇異な目で
見られたり躾云々で怒られることも多いのですが、本人にとっては嬉しさの表現
だったり、その場に居辛いというSOSのサインだったりします。
わかってもらえない、自己責任と批判されると思うと助けを求めることもできず、
一人で本(今ならネット)で調べる所も、なるべく普通に、目立たぬようにと
言い聞かせるけれど、子供にはそれができずにハラハラする所も一緒でした。。
子供の場合は幸い診断が早く1歳から療育施設に親子で通えたので、想いを分かち
合える仲間ができ家族も協力してくれたので何とかやってこられたのですが。。
花にも狼ハーフのママ友や理解のある家族がいたらどんなに心強かったでしょうか。
普通ではないからと言って親の愛情が変わるわけではなく、むしろ手がかかる
からこその可愛いさもあり、癒されたり幸せを感じることも多々ありました。
母子でいる時間が長く閉鎖的で密だった頃は毎日を遣り過すだけで精一杯だった
のに、今では懐かしく思うこともあります。(まだ一緒に暮らしていますが。)
障害があっても自分にはない良さ・・何があっても慌てない、観察が鋭く手先が
器用で手間を惜しまず何事も再現するのが上手い、余計なことを言わず(^^;)
笑顔で人を和ませることができる・・等いろいろあります。
映画では秘密を隠して怯えながら生きていくのではなく、他の人と違うことを知っても
そのまま受け入れてくれる友(彼?)と出会う雪、尊敬できる師と出会い、自分にしか
できない困難な道を歩むことを選んだ雨。親としては苦労が少なそうな安全な道を押し付け
がちですが、二人が他者との出会いの中で自分の道を選び取り、それぞれの社会の中で
生きていくためのルールや振る舞い方を学んでいき、徐々に親離れしていく過程は
見ていて切なくもあり、感動的でもありました。
家族以外の人と関ることで自分自身を知り、多くの事を学び、その存在を知ってもらう
ということは障害の有無、軽重に関わらず生きていく上で大事な事だと思います。
最近怖ろしい事件も多く、いろいろな意味でマイノリティが生き辛さを感じる世の中に
なりつつあるようで危惧しています。明るい未来を思い描くのはとても難しい事ですが、
せめて他者との違いに寛容な社会であってほしいと願わずにはいられません。。
考えてみれば花に限らず、恋愛も結婚も子育ても、人生は異文化と出会い、憧れ、
反発したり動揺しながら受け入れていく事の連続なのではないでしょうか。
散歩中に見かけた蜜柑と柿の実、どちらも良いと思いたい。。
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- メディア: DVD
ラッセ・ハルストレム監督 [映画]
(上は「最初の質問」という絵本。イラスト:いせひでこさん)
スウェーデンのラッセ・ハルストレム監督の映画、いいなあと思います。
最初に見たのはギルバート・グレイプ。
今を時めくジョニー・デップがレオナルド・ディカプリオ演じる障害を持つ弟の
世話をし、家族を懸命に支えていて魅力的でした。障害を持つ子供がいる家庭では
ドタバタのとんでもない日常がかなりリアルに描かれている為人気のある作品です。
自分の子供もそうなのですが、ディカプリオの自閉症と思われる少年が上手い。
この方の作品は、家庭としての機能を失って壊れてしまっている家族と、そこから
離れて他者との関係を築く中で救われていく話が多く、社会的弱者へのまなざしが
優しいなあと思います。監督自身、そういう経験がおありなのでしょうか・・?
「サイダーハウスルール」「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」「シッピング・ニュース」
「ショコラ」「セイフ・ヘイブン」。。悲惨な事も日常生活の一部として淡々と語られて
最後はほんわかと温かいハッピーエンドのようになっていく所も好きです。
ちょっと話はずれますが、NHKスペシャル「健康長寿」によると、自分が充足する為の
やけ食いや爆買いで得られる満足感より、他者との関係の中で相手を喜ばせたいと思って
する活動や、創作活動等自己表現による満足感が健康寿命を長くする効果があるとか。
人のために尽くす優しい人が早くにご病気や事故で亡くなられることも多々ありますが。。
人間は社会的生き物で、支え合って生きていくように遺伝子が組み込まれているのでは
ないかと。そう思える人が増えればいい社会になりそうなきがします。
80歳を超えた頃から、体の衰えは加速しても人生に対する満足度、幸福度は上がる
傾向にあるという調査結果もあるとか。長生きしたくないという意見もありますが、
実際に年を重ねてみてみないとわからないことがまだまだありそうです。
それにしても、この監督のお名前をなかなかフルネームで言えません。
ハレスト・・ハルストリ・・あ、違う・・略称があったら教えてほしいです。
「ラッセさん」じゃ、お祭りの掛け声みたい・・(笑)
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2012/07/19
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アメリカンニューシュネマ [映画]
更に遡る事数年前、中学生になって映画館で見ていたのは「日本沈没」や
「スター・ウォーズ」等ごく一般的なヒット作。家ではヒッチコックや
チャップリン、「自転車泥棒」「道」「禁じられた遊び」等のモノクロ名作
映画や「サウンドオブミュージック」「ウエストサイド・ストーリー」等の
ミュージカルや文部省推薦的なものが多かったように記憶しています。
が、徐々にハードロックに目覚め、占術班という若干胡散臭い同好会(笑)に
入る頃から次第にDEEP化していったように思います。
「LED ZEPPELIN狂熱のライヴ」「ウッドストック」「THE WHO
四重人格」等のロック系映画やよく言えば社会派・悪く言えばベトナム戦争の
影響下にある「病み系」のアメリカンニューシネマの数々に突き進んでいきました。
その頃その手のリバイバル上映が多かったのと丁度反抗期というのもありますが。。
マーティン・スコセッシ監督・ロバート・デニーロ主演の「タクシードライバー」
「カッコウの巣の上で」「明日に向かって撃て!」「ディア・ハンター」
「スケアクロウ」、「地獄の黙示録」や更には「ロッキー・ホラー・ショー」
キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」等など。。名作も迷作も飯田橋ギンレイ
ホール等入れ替えなしで一日3回見ることができたので、低料金で一日中入り浸って
いました。レンタルビデオが普及してからはアクションもの、コメディ、ホラーなど
各自が観たいものを持ち寄って友人と布団を並べてオールナイトで鑑賞したり・・。
自分では借りないタイプの映画を一緒に観たりつっこみをいれるのも面白かった。
私が選ぶ文芸アート系になる頃には皆眠ってしまうのが恒例でしたが(笑)とても
楽しい思い出で、その頃の友人は今でも自分にとって大切な存在です最近ご無沙汰
しがちですが、いつも愚痴を聞いてくれたり面白い情報をありがとうネ(^^)!
ヴィスコンティとタルコフスキー [映画]
「ストリート・オブ・クロコダイル」を見ていた頃というと・・
かつてバブルに向かって世の中全体が何となく浮かれている感じがした頃、
自分が落ち着ける場所を求めてミニシアター系映画館等に通っていました。
当時やたらと忌み嫌われていた「暗い」のど真ん中だったかも(笑)。
もともと空いていましたが、今では閉鎖された所も多くて寂しい限りです。
高田馬場アクトミニシアターのメリエス「月世界旅行」、Aラモリス「赤い風船」、
ルイスブニュエル「アンダルシアの犬」、ジャン・マレー主演の「オルフェ」。
草月ホールで勅使河原宏監督の「アントニー・ガウディ」、アテネフランセで
ジェラール・フィリップ主演の「愛人ジュリエット」「花咲ける騎士道」。
池袋文芸坐のフェデリコ・フェリーニ特集、どこだったか忘れてしまいましたが
スタンリー・キューブリック特集等など結構あちこちで上映されていました。
のがタルコフスキーの「ノスタルジア」。映像美に酔いしれつつ、時々猛烈な眠気に
襲われつつも「鏡」「ストーカー」「サクリファイス」「惑星ソラリス」を立て続けに
見た覚えが有ります。「ローラーとバイオリン」「僕の村は戦場だった」
「アンドレイ・ルブリョフ」等初期の作品はDVDで見ましたが、やっぱり良い~!
降り続く雨、風になびく草、鏡や水面に映る影、燃え上がる炎、霧に覆われて霞む景色・・
映像の詩人と云われるタルコフスキーの世界に夢中になりました
映画もアートだと認識したのはこの両巨匠に拠るところが大きいデス
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- メディア: DVD
特撮博とシン・ゴジラ [映画]
2012年の東京都現代美術館「特撮博物館(館長庵野秀明)」での
「巨神兵現る」が結構面白かったので、シン・ゴジラ4DXも行って
みました。ゴジラといったら初期のモノクロ映像=「とても怖い」という
イメージしかなかったので、庵野版は官邸ドラマや、都心の建造物を使った
攻撃などがメインなのか、いろんな意味で面白いけど突っ込み所も満載。
幼児期のシン・ゴジラは子供が描いた絵のようにブサカワな味わい・・。
歯並びが悪いので口から薬剤を入れられたけど、普通噛み砕かれるよね?
更によくお休みされている。被災者の方々に対する配慮なのかもしれ
ませんが、とにかくこわくない。4DXは会議の場面でも揺れるわ、
始終顔面に微風やミストシャワーがかかるわ・・石原さとみさんは
ふんわり良い香りでした
ゴジラ役が野村萬斎さんで主役が長谷川博己さんとか豪華キャストですね。
長谷川博己さんって、ドラキュラ役をやりたいと発言されていたり、園子温監督の
とんでもスプラッターコメディ?「地獄でなぜ悪い」の映画狂の青年や、ドラマ
「デート~恋とはどんなものかしら」の高等遊民役等、目が離せない役者さんです!
新海誠監督の「君の名は。」と四宮義俊さん [映画]
職場でやたらと「いいですよ!」と勧められ、大人になってからはジブリ以外
のアニメでは初めてとなる新海誠監督の「君の名は。」を見に行きました。
結果、とても良かったです!結構あとを引きます。
キーとなる「たそがれどき」は古来からあの世とこの世が交錯する時間と
されており、その別名とされる「カタワレ時」。恋愛は自分の半身=失われた
かたわれを探す行為という説もありますね。
相手を誰よりも気遣う内にお互いがかたわれとして大事な存在となっていく、
というのも良いですね。若いっていいなあ。(笑)
男女が入れ替わる、タイムラグによるすれ違い等の設定は、私の世代では
大林宣彦監督の作品などで馴染みがあり目新しいものではありませんが、
それらが物語を進める上で必然性を持っており、網の目のように張られた伏線が
後半で見事に回収されていきます。何気ないセリフが後で「ああ、そうか」と
わかって鳥肌が立ちました。もう一度最初から見直したくなるのでリピーターが
多いのも納得です。すれ違いも最後までハラハラドキドキさせられます。
都会と田舎、男性と女性、個人主義と因習や伝統を重んじる家庭等を対比させつつ
本人自身が気づいていないそれぞれの良さを浮き彫りにしていく見事さ。
そして特筆すべきは美しすぎる、リアルだけど実写よりずっと美しい風景!
それがまた、つまらないと思っていた日常の大切さ、それを失うことの切なさを
倍増させていて、質の良いエンターテイメント作品に仕上がっています。
そして「回想シーン」の原画・撮影・演出に「四宮義俊」さんのお名前が。
毎年ゴールデンウイークに東京国際フォーラムで催されるクラシック音楽の祭典
ラ・フォルジュルネジャポンの今年のテーマ「ナチュール(自然)」のポスターを
手がけられていた方です。その絵が気に入ってずっと部屋に貼ってありました。
(右の画像は外袋なので色がちょっと変わってしまって著作権大丈夫かしら)
同じコンビの「言の葉の庭」もチェックしてみたいと思いました。