宮沢賢治 銀河への旅 [本・漫画・TVなど]
厚手のコートが要らない暖かい日が増えてきましたね。
小さな公園で紅、白、桃色の梅の花が咲いていました。
「宮沢賢治 銀河への旅~慟哭の愛と祈り」を見ました。
ETV特集の再放送(短縮版)だったので、既にご覧に
なった方もいらっしゃると思います。
TVプロデューサーの今野勉さんが宮沢賢治の作品や書簡、
足跡を丹念に辿って作り上げた映像詩は見ごたえがあり、
心に訴えかけてくるものがありました。
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賢治より1年遅れて盛岡高等農林学校の寄宿舎に入寮し、
同室になった同い年の親友・保阪嘉内。
生前出版される事のなかった賢治作品の多くは、
嘉内に捧げられたものではないか・・。
そう思えるほど嘉内が賢治に与えた影響は大きく、
創作意欲をかきたてる存在だったようです。
嘉内は同人誌に掲載した文章が危険思想とみなされ退学
処分となり、二人は離ればなれになってしまいますが、
その後9年間で賢治は嘉内に73通もの手紙を送っています。
明朗闊達な嘉内との出会いとあっけない別れは「風の又三郎」、
嘉内に対する思いや道に外れた苦悩の激しさは「春と修羅」に、
嘉内と二人で夜の山に登り、進むべき道を誓い合った美しい
思い出や、愛する者とずっと一緒にいる事ができない悲しみは
妹トシを失ってしまった体験と相まって「銀河鉄道の夜」に
結実します。カンパネルラを失って慟哭するジョバンニは賢治
の姿であり、作中には嘉内の言葉や描いた絵が元になった場面
もあると知って驚きました。
宗教観の違い等から疎遠になった後も、賢治は農業指導に
力を注ぎ人の為に尽くす同志でありたいと願い続けていました。
(「雨ニモ負ケズ」)賢治の4年後に嘉内は亡くなりますが、
その枕元には賢治から送られた手紙が大切に置かれていたのだ
そうです。。
- 作者: 門井 慶喜
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/09/13
- メディア: 単行本
2019-02-23 15:30
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コメント(10)
うりくま さん!
はじめまして~(^^
拙いワンちゃんブログへお越し戴きまして
大変ありがとうございます。
今後もよろしくお願い致します。
by makkun (2019-02-26 09:38)
この番組全然知らなかったです(@@
銀河鉄道の夜は大好きで、たまに本を読み返すんです。
この本も図書館にあったので、そのうち借ります!!
by リュカ (2019-02-26 10:30)
良さげな番組ですね。見られないのが残念。
「永訣の朝」、学校で習ったな・・・と、ふと思い出しました。
by Inatimy (2019-02-26 19:18)
残念ながら見逃しました。「永訣の朝」は好きな詩でほとんど暗唱しています。「雨雪
とて来てけんじゃ」のルフレンが心を打ちます。
by JUNKO (2019-02-27 20:11)
>makkun様
こちらこそ、宜しくお願い致します!
私も親指の腱鞘炎とヘバーデン結節が時々
痛みます。どうか手術の成功で、少しでも
早く快適な生活を取り戻されますように。。
土門拳さんの代表的な写真しか知らないので
どういう方だったのか興味が湧きました。
>リュカ様
銀河鉄道の夜、私も大好きです(^-^*)。
この放映と関係あるのか?本の入手が
困難なようですが図書館がありましたね!
賢治の書簡が公開されたのは没後30年
経った頃(1960年代)だそうですが
今まで全く知りませんでした。
> Inatimy 様
ありがとうございます。元は4K放送を宣伝する
番組だったようですが、多くの人が見られる様
にしたのがETV特集短縮版だったようです。
画質が良いと星空など更に美しいのでしょう。
賢治の作品は海外での評価はどうなのでしょうか。
「永訣の朝」のトシさんが病んでしまったのは
失恋が原因だったというのも知らなくて、昔は
幼い女の子だと勘違いしていました(^^;)
>JUNKO様
放送は夜中でしたが、偶然見ることが
できました。「永訣の朝」や「雨ニモ
負ケズ」など心に残るリズミカルな詩
は、私も暗唱した覚えがあります^^。
聖人君子ではないけれど情が深く熱い、
人間的な賢治像に親しみを感じました。
再々放送を期待しています。
by うりくま (2019-02-28 01:41)
dailymotionにあったので見ました。
大変よく作られていますね。
よい番組をご紹介いただきありがとうございます。
たいまつを持って2人で歩く場面で2人の短歌が披露されますが、
嘉内の短歌は凡庸、賢治の短歌は秀逸で、
賢治のそうした才能が、ある意味、不幸だったのかもしれません。
ですから賢治は百姓になることはできなかったのです。
賢治の作品は面白いですが難解であるともいえます。
どういう視点で解釈するかによって内容が変わってくるので
たとえば国柱会のことについて書いたものを
読んだことがありますが、そこにもいろいろなヒントがあります。
by lequiche (2019-02-28 03:32)
「銀河鉄道の夜」好きな本です( ^ω^ )
また読みたくなりました^^
確か本棚の奥にあったはずだから、
探してみます=(^.^)=
by ニッキー (2019-02-28 07:35)
> lequiche 様
dailymotionなるものを教えて頂き
有難うございます。これ、便利ですね♪。
裕福で成績優秀、詩人・作家としての才能
もある賢治が、社会派の思想が生活に根付
いている嘉内の逞しさに憧れるのは、判る
気がします。そして才能の有無が道を分け
たとも言える。。なるほどです。
同じ状況下で詠んだ短歌から二人の違いを
見極めたlequiche 様、素晴らしいですね。
国柱会は難しくてよくわからないのですが
賢治が布教活動の一環で改心を迫った父や
嘉内と距離ができてしまったり、北原白秋
や石原莞爾も会員だったと知ってもう少し
調べてみたくなりました。おっしゃる通り
賢治の作品は詩や童話という体裁ながら、
鉱石が乱反射するように様々な解釈ができ
読む度に発見があるから、いつまでも色
褪せることなく愛されるのかも。。
>ニッキー様
「銀河鉄道の夜」、好きな方が多いですね♫
絵本やアニメ、映画など「映像化してみたい
作品」ナンバーワンかも?と思いますが、
自分のイメージ通りというのがなかなか無く、
やはり本を読んで想像するのが一番美しいと
思ってしまいます。
ところで、サブ3達成のご褒美にボヘミアン
ラプソディ鑑賞もいかがでしょうか(^0^)。
by うりくま (2019-03-03 10:26)
残念ながら見逃してしまいました。いろいろ読んでみたくなりました。
by 風船かずら (2019-03-31 16:00)
>風船かずら様
この短縮版も良かったですが、「宮沢賢治の真実」
「銀河鉄道の父」を読むと、更に理解が深まりました。
機会がありましたら、是非!
by うりくま (2019-04-01 20:47)