ユーリー・ノルシュテイン監督 [映画]
ロシアのユーリー・ノルシュテイン監督の代表作6本がデジタルリマスター版で
美しく蘇ったという「アニメーションの神様、その美しき世界」(左側)。
渋谷のイメージ・フォーラムで上映中です。
「霧の中のハリネズミ」「話の話」は、映画雑誌「ぴあ」を愛読していた頃、
見たいと思っていたなあ・・ということで久々に行ってみることに。
アート系の若者が多くて、狭い館内は満員。。今でも人気があるのですね。
ショスタコーヴィッチの曲にのせてロシア・アヴァンギャルド・アートの
洪水で怒涛のロシア革命を描いた「25日・最初の日」。
中世の壁画・フレスコ画が重層的な切り絵となって列をなし戦う
「ケルジェネツの戦い」(下画像の上)。
マトリョーシカにみられるガラジェッツ絵画のデザインを額縁のように
用い、カラフルで洒落た映像の子供向けの民話「キツネとウサギ」。
それぞれが一人暮らしをする廃墟で、求婚と拒絶を繰り返し行ったり来たり
する恋愛劇を、水墨画を取り入れた淡い色調で描いた「アオサギとツル」(画像下)。
どちらもクスッと笑えるわかり易いストーリーで、雰囲気の違いを楽しめます。
そして、公開当初から評判になっていた「霧の中のハリネズミ」!!
友達の家に向かう途中、森で霧の中に迷い込んでしまったハリネズミの子供が
未知の生き物たちと出会います。霧の晴れ間に見え隠れするものたちは、自分に
とっては神秘的で謎めいた存在。自分もハリネズミくんと一緒にびっくりしたり、
何だろう?と突いたものが見上げるほど立派な大木だとわかって、わあ~っと新鮮な
驚きを覚えたり、もうダメだと諦めかけたら救いの手がさしのべられたり。。
出会いと驚きを演出する「霧」の使い方がとにかく上手いですね!
「やっぱり友達のこぐま君と一緒がいい」と言いつつも、霧の中で出会った白い馬の
ことが忘れられず気になって仕方ないのは、恋のような憧れ?初々しい・・
「話の話」は子守歌に出てくる狼の子供の目線で描かれる、社会や運命に
翻弄される弱きもの、ちいさきもの達への愛が感じられる詩情豊かな作品。
自伝的要素が強いそうですが、愛する人を戦争で失う女性達の姿・・ダンスを
していた腕から突如引き離され、金色に光る海で待ちこがれ、空から降る手紙を
両手を伸ばして掴むと戦死通知、というショックと哀しみの表現に鳥肌が立ちました。
効果的なバッハやモーツァルトの音楽や、物語の合間にCODAのように度々
「平穏で幸せな生活」が挿入されるのにも胸を打たれ、しばらくその世界から
抜け出せずに呆然としてしまいました。。専門的な技法はよく知りませんが、
あっという間の感動的な1時間半でした!見ることができて良かったです
ユーリー・ノルシユテイン特集、あっしも観に行きやしたよ。
あっしは過去に6作品全部観ていやしたが、何度観てもいいものだなぁとつくづく思いやした。
霧の中のハリネズミは代表作中の代表作でやすね。
あと、「キツネとウサギ」も大好きでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2016-12-22 20:20)
ぼんぼちさま、ありがとうございます!
私は初見なので修復前との違いも判らないし、
詳しく解説して頂けたらなあ・・(^^)
私もまた機会があったら見たいと思います!!
by うっかりくま (2016-12-22 22:12)