世界一優雅な野獣 [映画]
「ダンサー セルゲイ・ポルーニン・世界一優雅な野獣」という
ドキュメンタリー映画を渋谷bunkamuraル・シネマに観に行きました。
ポルーニンは至上最年少の19歳で英国ロイヤル・バレエ団の
プリンシパルに上り詰めながら突然引退、物議を
醸したバレエ界の異端児・反逆児といわれています。
ポルーニンの幼少時やバレエ学校時代の映像、華やかな舞台の映像と共に語られるのは、
誰もが羨む程の天賦の才能に恵まれた彼の孤独や、過酷な環境でのギリギリの精神状態。
自分が頑張ることで家族が1つになれると信じ努力を重ねる間に
留学費用を捻出するため海外へ出稼ぎに行った家族がバラバラになり
崩壊してしまったことで、少年は心の拠り所を失い自暴自棄になっていく。
それでも相変わらずバレエの公演は大盛況。。
刻まれたタトゥーの多さが心の傷の深さを感じさせて痛ましい。
セルゲイはステージママのような母親を恨んでいたと言いつつも、
この映画を見た人が母を悪く思うのではないかと心配もしていました。
家庭から切り離された9才のまま止まってしまったような
繊細で複雑な心の内を垣間見る思いがしました。
そして父のように慕う指導者の存在や、彼の動画を真似て嬉しそうに
踊る子供達のYOUTUBEの映像が彼を立ち直らせていきます。
映画はハッピーエンドの形でまとめられていますが、彼はまだ27才。
どんな形であれ、今後の活躍を見守りたいと思います。
映画の予告編とミュージックビデオの一部が下記で見られます。
弾力性のあるバネのように力強くしなやかな動き、美しくも
型にはまりきらない強い個性が、優雅な野獣と呼ばれる所以でしょうか。
生き生きとした躍動感がハンパないですね。。
※ ※ ※
私事ですが、ダンス好きが高じてバレエを習いに行ったことがあります。
バーにつかまり立ちするのがやっとなのに「ハイ!跳んで!」と言われて
顔から火が出そうになり、三日でやめるという恥ずかしい思い出しかありません。
ここは替わりにサケビー君に踊っていただきましょう。
(サケビー君は前回から登場したムンクの「叫び」人形。ひょうきん者です。)