ボンタンアメ [食事・雑記]
.今年のNHK大河ドラマは「西郷どん」ということで、鹿児島の街を取材した番組を
何気なく見ていたら「ボンタンアメ」の看板が目に入り、「あっ」と思った。
ボンタンアメとは、鹿児島の会社が作るボンタン果汁入りのアメ菓子である。
商店街の隅っこに何種類かのガチャと一緒に置かれた子供向けのパチンコ台で、
レバーを親指で弾いて銀玉がチューリップの中に何度か入ると、景品のガムが
(バインやグレープなどのフルーツ味)ペロンと1枚出てくるという代物だ。
射幸心というよりは何やら「自分の努力で掴んだ」感があって、お小遣いの許す
範囲でゴールドフィンガーの腕を磨き、もれなく獲得できるようになっていった。
とはいえ、歯にくっつくガムはあまり好きではなかったので、獲得したものは
たまに食べる以外は友達に配ったりしていた。(何という無駄遣い!)
そうしてパチンコに対する自信を勝手に深めていた頃、正月に家族で行った
ボーリング場の片隅にパチンコ台を見つけた。初めて対面する大人仕様に胸が躍った。
獲得できる景品は、何故か冒頭の「ボンタンアメ」だった。未知の食べ物に対する
憧れも相まって、ボーリングはそっちのけで挑ませてもらうことになった。
いい調子でジャラジャラと銀玉が巡っていたが、あとちょっとで獲得できそうという所で
負傷してしまった。力が入りすぎたのか手の皮がむけて出血し、親指が滑ってしまうのだ。
それを後ろで見ていた兄(私と違い射幸心や無駄遣いに縁がない堅実なタイプ)が珍しく
かわりをかって出てくれた。「ボンタンアメ~!」と心の中で叫びながら泣く泣く親元に
引き上げる私の後を引き継いだ兄は必死に玉を弾き続け、その後まもなく「取ったよ~!」
とボンタンアメを高々と掲げながらこちらに走ってきた。
「エイドリアーン!」という言葉と共にロッキーのテーマが流れてきそうな程
私達は盛り上がり※「すごい!ありがとう!」「途中まで頑張ったからだよ」と
互いに最大級の賛辞を送り合ったのだった(@^▽^@)。
(※当時はまだロッキーは製作されていないので単なるイメージです^^;)
そして落ち着いた頃にドキドキしながら食べたその日の戦利品・ボンタンアメは、
口に入れると外側のオブラートが貼り付いて、中身も強力に歯にくっつく硬めの
餅のようで、残念ながら私の想像とはちょっと違っていた。・・という訳でそれ
以来食べていなかったので、見覚えのある大きな看板を見つけてちょっと懐かしさ
を覚えたのてした..(今はオブラートが改良されているそうです)