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山と水の風景~吉田博展 [アート]

ジャコメッティ展の後にもう1件回ったのが、前にも取り上げた事のある

名前が長~い美術館、「東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館」。

その企業(の前身)は芙蓉グループなので、ビルの形はグループの

シンボルマーク=富士山を模しているとも言われています。

かつてコース料理のデザートにあった富士山アイスを思い出します。

ボッと火をつけたりするあれ、ですね(^^)。(注1)


美術館のある42階の窓にも富士山の形を発見しました。

ビル内でウォーリーならぬ「富士山をさがせ」ができるかも。。


で、現在は風景画の第一人者・吉田博の生誕140年を記念した回顧展が

開催されており、水彩・油絵・木版画200余点という作品を展示しています。

IMG071310.jpg

国内での知名度はいまひとつなのに比べて、海外ではマッカーサーやダイアナ妃

などファンも多いとの事。実は私もTVで紹介されるまで知らず、今回の展示を

楽しみにしていました。 

 http://www.sjnk-museum.org/information          
明治期に公費留学した黒田清輝一派が華々しく活躍する中、吉田氏は家族を養いつつ
外国人向けの土産物として日本の風景を水彩画に描いて売り資金を調達、自ら
アメリカに乗込んで営業し、展覧会を成功させたガッツのある方のようです。[手(チョキ)]
毎年日本アルプスに遠征して描いたダイナミックな山、一瞬しか見られない
光や霧に包まれた奇跡のような風景を描いた油絵も、さすが「絵の鬼」と呼ばれた
だけのことはあります。
              ※
渡米の際に、日本の美術と言えば相変わらず浮世絵しか評価されていない事を知り
「自分がもっとスゴイ版画を作る!」と思い立ったとか。国内外の風景(タージ
マハールやグランドキャニオン等)の版画を制作するようになります。
浮世絵は10数回の工程が通常の所、陽明門などのように90回を超える摺りを重ねた
(注2)淡く微妙なグラデーション、分業制の版画制作において全行程に張り付いて
チェックするこだわりは、他には類を見ない新しい版画の世界を作り出しました。
              ※
特に同じ版木を使い、彩色の違いで時間の経過を見事に表した「帆船 朝・昼・夕」
「スフィンクス」の昼と夜などは、自分も長い間その場に佇んで景色が移り変わる
様子を眺めているような錯覚に陥り、感動しました。海と帆船がとても良い!
従軍画家として爆撃機を描いたりしているのには時代を感じますが、戦争賛美という
よりは斜めになった機体から眺める河川の構図の面白さに興味を持っていたように
思えます。写実的・教科書的な作風は戦後は時代にそぐわなくなっていったのかも
しれませんが、この美術館にしては珍しく混雑していた所をみると、今後日本でも
逆輸入的に評価は高まっていくかもしれませんね。[るんるん]
・・・・・・・・・・・
(注1)いくら富士山型の損保会社とはいえ、点火してはいけません。
(注2)すりをかさねる・・良い子はマネをしてはいけません。
   先生からの注意事項を守って楽しい夏休みをすごしましょう。
              ※
詳しくもないのに説明を頑張ると疲れが・・(^^;)。
やっぱり感想メインに戻して、解説は他の方に任せましょ。。[わーい(嬉しい顔)]

nice!(39)  コメント(14) 

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コメント 14

うめむす

恥ずかしながら、吉田博という方も知りませんでした。
もっといろんなものを見ておくべきだったと、後悔しております。

ネット検索して、作品を見ました。
素晴らしいです。
構図の取り方がすごいなー、と深く感銘をうけました。
一部の版画から、鈴木英仁の作品を思い浮かべました。
まあ、影響受けてるとしたら、鈴木英仁の方ですが・・・。
私は、この手の流行作家の作品しか見てこなかった。
そんな我が身を恥じているところです(´゚ω゚`)

とりあえず、今からでも新しい刺激を受けて行きたいです。
引き続き、いろんな情報のご提供をお願いします。
情報提供は、うりくまさんの言葉で、の方がいいです。
そっちのざわぞわ刺激、すっかりクセになっていますもので・・・(笑)
by うめむす (2017-07-15 22:59) 

うっかりくま

うめむす様
あらら、本文に合わせて真面目なコメント恐れ入ります(@@)
美術もので笑いをとるという高度な業には、日々修行を積んで
いつか挑戦・・できるかな。しないでおこうかな(笑)。
鈴木英人さんはアメリカンな車や海のイラストを描かれる方?
わたせせいぞうさんは人物がどうも苦手ですが、鈴木さんのは
カッコイイし夏向きなので、今飾るのにピッタリですね。
まあ私は浮世絵も構図とデフォルメ具合が十分すごいと思い
ますし、吉田博という今風のお名前を知ったのは去年くらい
なので偉そうに言える立場じゃないんですよ~。いつも
メモもとらずにボ~っと見ているので、間違ってたらゴメンナサイ。



by うっかりくま (2017-07-16 00:16) 

tarou

お早うございます、おしどり隠しの滝に
コメントを有難うございました。
この季節、滝のそばは涼しく最高でした。
小さな滝ですが、近くに寄れてマイナスイオンを
たくさん浴びて来ました。

山や水がある風景は大好きです(^_-)

by tarou (2017-07-16 06:21) 

いっぷく

コメントありがとうございました。
送迎付きの施設は親にとっては便利ですが
親のためではなく、あくまでも本人のための
福祉ですから、利用者の様子や運営のありかたを
チェックすることは大事だと思います。
おっしゃるように最終的には信頼関係を築けるか
というところに行き着くのではないでしょうか。

by いっぷく (2017-07-16 09:15) 

うっかりくま

tarou様
涼しげな映像を公開してくださって有難うございます。
出かけられない日もリフレッシュさせて頂いています。
滝の水も澄んでいて冷たいのでしょうね!

by うっかりくま (2017-07-16 14:35) 

うっかりくま

いっぷく様
コメントを頂きありがとうございます。
責任を持ち工夫しながら療育されているいっぷくさんの
ブログを拝見すると、そこまで努力できる親は少ないの
でとても頭が下がりますし、刺激を受けます。
これからも思う所を発信し続けて下さいね。



by うっかりくま (2017-07-16 14:52) 

JUNKO

なかなか津軽海峡を渡っての展覧会はありません。蝦夷地にいると文化から離れた生活になります。時たま新しい風に吹かれに出かけます。
by JUNKO (2017-07-16 19:16) 

うっかりくま

JUNKO様
北海道の自然や街の様子、楽しく拝見させて頂いております。
逆に私は北海道へは3回しか行ったことがなく(内2回は
社内旅行ですし)まだ見て回りたいところがいろいろある
けれど、なかなか行けません。空港までが遠くて。(><)
今日の「日曜美術館」で取り上げられていた川端龍子が、
吉田氏同様戦時下中国へ赴いた時の絵に衝撃を受けました。
戦機が透明に描かれているのです。似たような経験、題材
であってもこんなに表現方法が違うのかと驚きました。
それぞれが追求した先の独自性、たまらないですね。
by うっかりくま (2017-07-16 23:01) 

ちぃ

吉田博さん、全く知らない方でした〜。
展覧会のフライヤー、
ケンジントン宮殿内でダイアナ元妃の後ろに掛けられた作品
ともに柔らかな水の表現がとっても素敵ですね^^
彩色の違いで時間の経過を見事に表した作品は興味津々です。
見てみたいなぁ。

お座布団の予感!?(*>艸<)紅型好きで〜す(*>艸<)
by ちぃ (2017-07-17 14:05) 

Inatimy

この画家の作品、昔、アムステルダムの小さなミュージアムで見たことがあります。
美しいですよね。
オランダに来てから知りました、オランダ人に日本の版画のミュージアムを勧められて^^。
by Inatimy (2017-07-17 18:21) 

うっかりくま

ちぃ様
昔の画家のお名前にしてはインパクトがあまり無い
というかサラリーマン風のお名前ですよね(失礼デス)。
油絵は大胆にべたっと塗っている感じなんですが、
水彩と版画は淡い色合いがとてもきれいでした。
関西方面にも巡回されるといいですね!
お座布団10枚ためて海外旅行、ってのも良いですね
(笑点かっ!)。


by うっかりくま (2017-07-17 21:35) 

うっかりくま

Inatimy様
わ~、ほんとに海外での知名度が高いのですね。
海外に行くと、自分が日本の文化を知らず説明
できないことを反省させられたりもしますね。。
貴重な情報をありがとうございました!
by うっかりくま (2017-07-17 21:43) 

lequiche

他ブログでも吉田博展の記事を読みました。
これは行かないとなぁと思ってしまいます。
まだまだ知らないことが多過ぎます〜。(^^;)トホホ
ご紹介ありがとうございました。
by lequiche (2017-07-21 04:37) 

うっかりくま

lequiche 様
知らないものや見たいものが私も多すぎて困ります。
全部を見て回る事ができないので迷うし、厳選した
つもりでもピンとこないのもあります。自分は人が
少ないと印象が良くて、混んでいるといい加減に観て
しまう傾向があるのですが、こちらは平日でも結構
混んでいるようです。当日は受付の方と吉田博氏の
お孫さんという方がお話をされていました。

by うっかりくま (2017-07-22 04:28) 

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