くまのもの~隈研吾展 [アート]
建築家・隈研吾の30年に及ぶプロジェクトを集大成した
「くまのもの~隈研吾とささやく物質、かたる物質」展。
(東京ステーションギャラリーにて3月3日~5月6日まで)
隈研吾氏は何かと話題の2020年東京オリンピックの新国立競技場や
JR新品川駅も設計されており、その模型も展示されていました。
「建築とは、結局のところ物質である。物質と人間との会話である。
(中略)20世紀は、コンクリートのせいで、会話は固くなり、
人間の表情もずいぶん暗くなった。もう一度、様々な物質と、いきいき
とした会話をはじめよう。」という隈氏の言葉に沿って、展示物は
竹、紙、土、石、膜・繊維などマテリアル毎にまとめられています。
素材の中には泡やバルーンまであったりして、その自由な発想に
ワクワクしてしまいます。右下のポータブル茶室「浮庵(ふあん)」
の実物も見ることができました。
柔らかい素材や曲線に包まれると、自然の中に身を置いているような
ぬくもりがあってホッとできそうな気がします。これも建築なのですね~。
物質の素材と工法の組み合わせを表わした図↓
理念や発想、オブジェとしては良くても、耐震性や耐久性も考慮し、
人が出入りしても安全な建築物として具現化していくまでの過程、
スタッフや職人さんの技術や労力も大変なものだろうと思われます。
ほとんどの展示物が撮影可能。冒頭のコメントにあったとおり、
様々な物質の声を聞き、その素材が持つ良さや可能性を最大限に
引きだそうとしているような、物質との出会いを楽しんで大切に
しているのが感じられるような展示でした。
タイムリーな事に、現在「美の巨人たち」というTV番組で上写真の
「雲の上のギャラリー」を取り上げています。斬新なデザインながら
和風建築の工法も取り入れていて、中に入ると引込まれそうな不思議
な空間が広がっているようです。行ってみたいなあ。。