番外編:倉敷は山陽だった・その2 [風景・写真]
(前回の続きです)
日本初の西洋美術中心の私立美術館である大原美術館。
岡山出身の薬師寺主計が設計した本館はイオニア式の柱がカッコイイ。
初めてここに来た中学生の頃、エル・グレコの「受胎告知」と共に
シャバンヌの「幻想」という絵に強く惹きつけられました。
その時はこの画家の名前やタイトルを記憶していなかったのですが
この絵のことは何となく、度々思い出していました。
数年前に原田マハの小説「楽園のカンヴァス」を読んで
「あれがそうだったのか!」と渋谷Bunkamuraのシャヴァンヌ展に
駆けつけたので、今回で3度目の対面となりました(*´∀`*)。
下は年二回だけ特別公開される大原家別邸の「有隣荘」です。
(http://kurashiki-kankou.com/spot/yurinsou.htmlより画像をお借りしました)
今回は偶然特別公開中。この美しい邸宅を見学することができました。
宮永愛子さんの白く儚い夢のような作品群がこの家にしっくりと馴染んでいて、
常温で昇華してしまうナフタリン等を素材に作られたそうです。画像がないのですが
気泡と共に透明な空間に閉じ込められた椅子が、とても気に入りました。
※ ※ ※
もう一つ、今回の旅で印象深かったことがあります。
大根島付近の車窓から見えた「○○小児科・皮膚科」という看板です。
それは鳥取砂丘の記事に書いた鳥取在住の友人とそのご主人が開業された
医院のものでした。当時まだ医学部の学生だった優しいお二人に
大山などを車で案内してもらった時の事が不意に蘇りました。
(上画像は記事とは関係なく鳥取観光キャンペーンのポスターです)
一応働いてはいるがぼ~っと毎日を過しヘロヘロ観光している自分と
この土地に根を下ろし日々大事な仕事を頑張っているお二人・・(; ;)
会いに行くことはできませんでしたが、看板を見て懐かしく想うと同時に
30年という年月の重みを実感したのでした。
「あゝ おまへはなにをして来たのだと… 吹き来る風が私に云ふ」
中原中也の詩『帰郷』を思い出しながら羽田空港に戻ってきました
~長い旅行記におつきあい頂き、ありがとうございました(完)
2017-11-06 00:08
nice!(49)