ミュシャのスラヴ叙事詩 [アート]
前売割引価格+ハガキやポスターの特典付きというのにつられて
朝日のウェブサイトで「ミュシャ展」と「バベルの搭展」のチケットを購入。
ミュシャはこの2枚のポスターがもらえてかなり嬉しい
けどこれ、何となく吉村真理さんを思い出してしまう・・?
いざチケットを買ってしまうと安心してなかなか行かない、ものぐさな自分。
ワタリウムのある外苑前付近は洒落たお店が並んでいて、ウロウロ寄り道をし。
ゴディバもあるし。
そうこうするうち15時に国立新美術館に着くと
平日なのにチケット売り場は長蛇の列・・
草間彌生展も同時開催しているので、そちらも人気なようです。
南瓜というか巨大テントウムシみたいなオブジェがデーン!
でも草間彌生展は数年前に埼玉県立美術館で見たので今回はパス。
チケットを持っていてすぐ入れたのは良かったです。(館内の実物大のポスター)
すでに多くの方が取り上げ、TVでも宣伝されているように、
6m×8mの巨大なスラヴ叙事詩20点は見応え充分。
民族にとって重要な歴史的場面の数々、キリスト教徒同士の対立、他民族の侵攻・・。
勝利した戦いでさえ、勇ましさや歓喜の瞬間よりも
払われた犠牲の大きさや哀しみを淡い色で静かに描いています。
劇画のようにダイナミックな構図にも引きつけられます。
(撮影OKな部屋では解説を読む人、遠くから眺めたり写す人でごった返していました・・)
ミュシャの生まれ故郷が平和だった時代ののどかな風景に、逆に胸が締め付けられます。
人々は、村の方に衣装を着せて撮影した写真を元に描かれているとのこと。
(あれ?自画像っていうのは別の絵?)
苦難の歴史の末、希望を表した絵を最後に壮大な叙事詩が幕をおろします。
この素晴らしい作品群の制作のスポンサーがアメリカ人実業家であること、
不遇にも予算不足で美術館が建造できず、
長らく城の中におかれ、夏の間だけひっそりと公開されていたというのにも驚きました。
番外編的にロシアの農奴解放により戸惑う農民たち、というのもありました。
為政者側が依頼した自慢げな勲章のようなものではなく、
民衆目線でささやかな喜びや混乱や恐怖が描かれているのですね。
あの華麗なアールヌーヴォーのポスターを描いていた頃のミュシャは、
意に沿わない仕事の多忙さにノイローゼ気味になっていたと特集番組で言っていました。
愛する故国のためには切手や紙幣、警官の制服など無償でデザインし、貢献していたとか。
ブロンズ彫刻の「ラ・ナチュール」も良いなあと思ったのですが、
それが日本の堺市にある作品だというのも今回初めて知りました。
ポスターのこの絵、すごく好きです。
満天の星が戦い続ける人々の愚かさを俯瞰して、
透徹した精神性を表しているよう。
「モルダウ」を聞くと更に感情移入してしまいます。
大勢の人が見たいだろうし混雑するのも当然か、と納得した展示でした。
(4/23追記:情報の幾つかに誤りがあり、訂正しております。)
2017-04-22 20:53
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コメント(12)
はじめ、夜のヒットスタジオを思い出し、最後の方は踏み込んだことのない内容だったのでコメントがありません。でもオシャレであることはわかりました。先週、取引先の付き合いで斎場に行きました。寄ればよかった!(^^;)
by KENT0mg (2017-04-22 21:59)
KENT0mgさん、夜ヒットの記事でなくて申し訳ない!
長くて面倒くさい記事なので、「続きを読まない」選択も
できるようにしてあるのよん。
物忘れが進行中なので、備忘録がわりにしているけど
勘違い情報が多くておすすめはできかねます(^^;)。
by うっかりくま (2017-04-22 22:28)
文化巡りをしたいですが、行列が苦手ですので、行く気力が今一つです。
どちらかといえばミュシャ展は目を引きます(^_^;)
by green_blue_sky (2017-04-23 06:45)
ポスターにもなっているこの作品
わたしも好きです。
スラヴ叙事詩、全部見ることができて満足でした!
by リュカ (2017-04-23 16:09)
green_blue_sky さん、私も行列が苦手なのですが、
今回の絵は大きいので、解説を音声ガイドで聴いて
遠くから眺めれば何とか・・休日だと難しいかもですが。
今晩日曜美術館でミュシャ展の再放送がありますネ。
TVでの鑑賞も、細部までよく見えて解説付きなので
結構好きです。(^_^)v
by うっかりくま (2017-04-23 17:15)
リュカさん、ありがとうございます。
何となく漫画の原画展のような雰囲気もありましたが(?)
想像以上に迫力があり、見応えがありましたね!
歴史的な背景がわからなかったので、リュカさんの記事で事前
学習させて頂いたり(m--m)音声ガイドも借りて正解でした。
あの大きな絵を20枚も持ってくるのは大変だったでしょうね~。
by うっかりくま (2017-04-23 17:32)
吉村真理さん、笑!
ミュシャの青白い妖精みたいな絵を高校生の頃、部屋に飾っていました。
わたしは、「ナビ派展」のチケットを珍しく早々買って、G.W前に行こう!と思っていたのに、忙しくて行かれず…結局また終わる直前にバタバタ駆け込むことになりそうです!空いてる時にゆっくり見たいのになあ。
by トロル (2017-04-23 18:21)
トロルさん、ありがとうございます。
私も30年位前?のミュシャ展で購入した図録を模写したり
していました。やってみて自分の下手さに愕然としましたが(笑)
シックな色合いやデザインが素敵ですよね。
あ、「ナビ派展」は5月まででしたっけ?
何年か前の「ヴァロットン展」も行き損ねたので、行きたいなあ。
時間も予算も限りがあるのでどれにしようか迷いますね。。
by うっかりくま (2017-04-23 21:39)
草間さんをみて疲れちゃって。こちtらはパスでした。残念なことをしました。
by JUNKO (2017-04-24 11:43)
ミュシャ、あっしも好きでやす。
アールヌーボーが好きなので。
こんなに大きな作品も描いていたのでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-24 20:59)
JUNKOさん、草間さんのも良かったようですね。
スラヴ叙事詩の国外展示は親族が渋っていて今回が初との事です。
これだけ好評なら・・と再度展示して下さることを期待したいですね!
by うっかりくま (2017-04-24 21:53)
ぼんぼちさん、ポスターもわずかですが展示されていて、何度見ても
美しいなあと思いました。それとは随分描き方が異なるスラヴ叙事詩
ですが、独特な落ち着いた色合いはミュシャらしいと思いました。
見応えがあり、圧倒されますよ~。
by うっかりくま (2017-04-24 22:01)