小雨降る夜の上野で見たものは [アート]
基本的に夜遊びしない健康優良中高年(爆)が
小雨降る夜の上野を徘徊する
シャンシャンはもうおやすみの時間です
彫像達は夜襲の打ち合わせ?
露出度が高い皆様は寒そうでした
今回の目的は薄暗いベンチではなく(^Д^)
屋形船に見えてしまった博物館でもありません
こういう灯りにも引き寄せられますが
向かった先は、こちら
夜景も綺麗な東京都美術館
こんな時間でもチケットを買うのに行列ができる人気ぶり
もう行けないかと諦めかけていた藤田嗣治展です。
いつも終了間際のブログアップで申し訳ございません。
(10月8日まで。通常入室は17時、金曜日は19:30まで)
Eテレの「日曜美術館」で画業と生涯を特集したのを見て
この没後50年の大回顧展に行きたくなったのでした。
(こういう人が多いから混むのは仕方ないか)
(しりあがり寿画伯のフジタとニャンコのイラストもキュート)
フジタが描く「乳白色の肌」の滑らかな質感と
天然真珠のようなまばゆい輝きに
当時の巴里の人々も魅了されたのでしょうね。
モディリアニやピカソとの交流・影響を窺わせる作品や
訪れた沖縄や中南米の人々を描いた珍しい作品もありました。
そしてひたすら茶色い巨大な戦争画。
凄絶な戦いの悲惨さと狂気が伝わってきますが
これも戦時中は戦意高揚の為に使われたのでしょうか。
累々と積み重なる死体の上で雄叫びを上げる兵士は
いったい誰に、何に銃剣を向けているのでしょうか。。
「世界に日本人として生きたい」と願いながら
日本から捨てられたと感じ、かつては時代の寵児として
もてはやされた巴里でも過去の人となり、晩年はフランスの
片田舎で自分と妻の遺骨を納める礼拝堂を作っていたフジタ。
展示されていた手作りの「理想の礼拝堂」の木製模型は
素朴で安らぎに満ちているようにみえました。
毀誉褒貶の激しい藤田嗣治という一人の画家の作品を
テーマ別に辿りながら、逃れられない時代とアート、
人の一生についても考えさせられたのでした。
2018-10-05 23:09
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